避妊・中絶

リプロダクション・コントロール(避妊・中絶)

生殖医療を専門とする視点からリプロダクション・コントロール(家族計画)のお手伝いもさせていただきます。

当院の診療の特徴は

  • (1)将来妊娠のご希望がある方には「将来の妊娠の妨げとならない」ように細心の注意を払いながら行うこと
  • (2)男性生殖医療の診療も行う立場から、ご主人様(男性)にもご参加いただき、ご夫婦(カップル)単位での避妊法の提案を行うこと
です。是非お気軽にご相談ください。

中絶手術のリスク

皆様にまず何よりも知っておいていただきたいことは、「中絶手術はノーリスクではない」ということです。

中絶や流産の際に行われる子宮内容除去術は後遺症を残さない場合がほとんどですが、不妊症の診療に当たっていると、過去の子宮内容除去術の影響を疑わせるケースにしばしば遭遇するのも事実です。

子宮内腔癒着症(アッシャーマン症候群)

子宮内は通常[1]の方のようにきれいな空間となっていますが、[2]の方は上下に肉柱が形成されているのがわかります。
このように、子宮内掻爬などの子宮内処置に伴い子宮内に癒着を残してしまうことがあります。

子宮内膜菲薄化(内膜が厚くならなくなる)

排卵するころの子宮内膜は通常8mm以上あるのですが、子宮内容除去術を繰り返し行うと、卵胞が育っても子宮内膜が厚くならなくなり、着床障害の原因となるとされています。

この方は約20mmの排卵寸前の卵胞があるにも関わらず、子宮内膜は4.5mmしかありません。
このような子宮内膜菲薄化例は、不妊治療上、非常に苦戦します。

このように人工妊娠中絶や流産手術などの子宮内容除去術は、子宮内膜に重大なダメージをおよぼし、難治性不妊の原因となってしまうことがありうるのです。
将来、こうした状態で不妊となって苦しまないように、「希望しない妊娠は積極的に避ける」+「やむを得ず子宮内容除去術を行う際は子宮内膜に愛護的に行う」ことが極めて重要なのです。

緊急避妊(アフターピル)

緊急避妊(アフターピル)とは、避妊をしないで性交渉を持ってしまった場合や、コンドームが破けて避妊に失敗してしまった場合などの後に、ホルモン剤を内服し妊娠成立を防止しようとする方法です。
100%避妊できるというわけではありませんが、避妊効果は高いとされており、「希望しない妊娠を積極的に避ける」一法としてご検討ください。
通常72時間(=3日)以内に「レボノルゲストレル」を1錠(1.5mg)内服します。

レボノルゲストレル錠1.5mg「F」(「ノルレボ」のジェネリック)

6,500円(税込7,150円)

※受診料・処方料などの費用はかかりません。

人工妊娠中絶

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避妊法

ご夫婦(カップル)単位で最適な避妊法を考えていくには、まず「ピルのリスク」をご理解いただく必要があります。

本来卵巣が分泌するホルモンを薬として飲むのがピルによる避妊法の原理です。
結果的に卵巣がお休みをするので排卵が起こらなくなります。
排卵が起こらなくなるので避妊効果が現れます。

低用量ピルは、上手に使用すれば避妊のみでなく、生理痛の軽減や内膜症の発症予防など、女性の生活の質の向上に極めて効果的なのですが、一方で静脈血栓症という死亡に至る可能性がある副作用もあるので注意が必要です。

● 低用量ピルと血栓症

【血栓症とは?】
血管の中に血栓(血のかたまり)ができてしまうことを言います。
典型的には足(特に左足)の静脈の中にできやすいとされています(下肢静脈血栓症)。

足の静脈の中にできた血のかたまりが剥がれると、血液の流れに乗って心臓の中をくぐって、肺の血管で再度詰まってしまいます(この状態を肺塞栓と言います)。
すると、呼吸(換気)ができなくなってしまい、重篤な場合、呼吸不全で死亡に至る場合も報告されています。
(日本でも、10代の女の子の死亡例も報告されています。)
【ピルと静脈血栓症】
海外の調査によると、低用量ピルを服用していない女性の静脈血栓症発症のリスクは年間10,000人あたり1-5人であるのに対し、低用量ピル服用女性では3-9人と報告されています。
つまり、概算で3倍程度リスクが上昇することになります。

一方で、妊娠中の静脈血栓症発症のリスクは年間10,000人あたり5-20人、分娩後12週間では年間10,000人あたり40-65人と報告されていますので、妊娠中や分娩後に比較すると低用量ピル内服中の発症頻度はかなり低いとも言えます。
【ピルを使用しない方がいい人は?】
喫煙者、高年齢、肥満、高血圧の方は低用量ピルによる静脈血栓症の発症リスクが高いといわれており、原則使用しない方がいいと考えます。

通常35歳以上の喫煙者は内服するべきではないとされており、また、40歳以上の方は無条件で避けるべきと思います(「慎重投与」とされています)。

● ライフステージ別避妊法の個別化

避妊が必要となる期間は、一般的には人生設計において「妊娠・出産」を考える時期の前か後ということになります。
避妊法における①と②の時期の相違点は「その後の生殖能力を温存する必要があるのかどうか?」という点で、異なった考え方をします。

1.低用量ピル

正しく内服すれば確率の高い避妊効果が期待できますし、生理痛の軽減や内膜症の発症予防など、女性の生活の質の向上に極めて効果的です。
しかしながら前述の如く、「静脈血栓症」のリスクがあるので、このリスクをどうとらえるか次第です。

喫煙者・肥満・高血圧・高齢の方は、避けた方が無難でしょう。
また、低用量ピルに抵抗感を感じられる方も別の手段を考えた方がいいと思います。

低用量ピル

ファボワール28 … 1シート 2,000円(税込2,200円)
ラベルフィーユ28…1シート2,000円(税込2,200円)
※受診料・処方料などの費用はかかりません

2.子宮内避妊具(IUD)

子宮内に専用の小さな樹脂製の器具を挿入する方法です。
現在は、器具から黄体ホルモンを分泌するように設計された「ミレーナR」が主流です。
挿入時の痛みがご心配な場合には、静脈麻酔下に挿入することも可能です。

ミレーナ(自費)

挿入 … 45,000円(税込49,500円)
抜去 … 10,000円(税込11,000円)
入替(同日) … 50,000円(税込55,000円)
※静脈麻酔下に挿入する場合、10,000円(税込11,000円)加算

3.精管結紮術(いわゆる「パイプカット」)

人工的に「閉塞性無精子症」の状態とする処置です。
「もうこれ以上子供は必要ない」とお考えのご夫婦には、副作用の起こりうる「薬」を使用するよりも良い選択肢となる場合があります。
処置は単純で確実性も比較的高い方法と言えます。
(但し、「絶対」ではありません。手術をしても1-2%程度の方は完全な無精子にならないことも報告されています。)

診療時間

日・祝
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