体外受精・顕微授精

体外受精・顕微授精とは

● 体外受精とは

体外受精は、妻の体内から取り出した卵子を含む培養液内に一定濃度の運動性良好精子を加えた後、正常に受精し、細胞分裂を順調に繰り返して発育した胚(通常2-5日間培養します)を子宮内に移植(胚移植)することにより妊娠を目指す不妊治療です。この方法によれば、卵管が無くとも妊娠成立することが可能で、基本的には卵管因子に対する治療法です。

● 顕微授精とは

体外受精で必要な精子数が得られない夫婦に対し、高倍率の顕微鏡で確認しながら一匹の精子を直接卵子内に注入し、受精卵を得る方法を顕微授精といいます。原理的には1個の精子が得られれば妊娠を目指しうる方法で、1992年にパレルモ博士により報告されました。1993年にはこの方法を応用し、無精子症の夫の精巣内から精子を回収して、その精巣内精子を顕微授精し受精卵を得る方法で生児を得たという報告がなされるようになりました。

排卵誘発に対する当院の考え方(低刺激か?高刺激か?)

通常、体外受精に際し何らかの排卵誘発が行われ、その刺激の程度により「低刺激法」と「高刺激法」に分類されています。

低刺激法

内服の排卵誘発剤をメインに使用する方法です(多少注射も追加します)。

高刺激法

注射の排卵誘発剤を連日使用する方法です。自然排卵を抑制するために併用する薬剤により、ロング法、アンタゴニスト法などがあります。

各々の方法の利点/欠点は以下のように考えられています。

利点 欠点
低刺激法
  • ・通院日数が少なく一般的に安価
  • ・卵巣過剰刺激症候群が起こるリスクは高くはない
  • ・多くの卵子は得られない(卵巣予備能が良くても卵胞発育数は限られる)
高刺激法
  • ・卵巣予備能に応じた数の卵子数が得られる(卵巣予備能が低い場合は発育卵胞数は制限される)
  • ・連日の注射が必要で一般的に高価
  • ・卵巣過剰刺激症候群のリスクがある
● 低刺激法

【利点】

  • ・通院日数が少なく一般的に安価
  • ・卵巣過剰刺激症候群が起こるリスクは高くはない

【欠点】

  • ・多くの卵子は得られない(卵巣予備能が良くても卵胞発育数は限られる)
● 高刺激法

【利点】

  • ・卵巣予備能に応じた数の卵子数が得られる(卵巣予備能が低い場合は発育卵胞数は制限される)

【欠点】

  • ・連日の注射が必要で一般的に高価
  • ・卵巣過剰刺激症候群のリスクがある

低刺激法に「身体に優しい」「自然に近い」などのイメージがあるようです。あながち間違ってはいないのかもしれませんが、体外受精の真の最終目標は何か?という視点で考えてみてください。
皆様のゴールは「身体に優しい・自然に近い排卵誘発をすること」が真の最終目標ではないはずです。真の最終目標はあくまで「妊娠・出産すること」なわけです。
では逆に、何でも高刺激で行えばいいのか?というと、これも程度問題で、1回で妊娠したものの、余剰凍結胚がいくつも残ってしまうのも好ましい状態とは言えないのかも知れません。
重要なのは、「何を乗り越えるために体外受精を行うのか?」という視点で判断することです。
当院では基本的に「卵の質の低下があれば、それを数でカバーする」と考えます(ただし、卵巣予備能が高刺激法に適しているかどうかの判断が必要です)。
つまり、「低刺激or高刺激」は、雰囲気やイメージで選択する性質のものではなく、医学的適応(医学的に必要かどうか?)により判断されるべきものと考えます。

料金について

当院では、積極的に保険診療での体外受精・顕微授精を実施しております。
保険診療での費用に関しましては、高額療養費制度の限度額を超えることはございません。
詳細は以下でご説明申し上げておりますのでご参照ください。

★体外受精ガイダンス★

診療時間

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